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クリニック経営を成功させるには?7つの課題と解決策・失敗の原因を解説

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クリニック経営を成功させるには?7つの課題と解決策・失敗の原因を解説

クリニックの経営には、専門である医療行為とは異なるスキルが求められます。「経営が厳しい」「赤字かもしれない」といった悩みを抱える院長は少なくありません。

多くのクリニックが直面する課題は、集患、資金繰り、人材、業務効率において多く見られます。これらの問題を放置すれば、経営難に陥る危険が高まるでしょう。

この記事では、クリニック経営でつまずきやすい7つの課題を明らかにし、それを乗り越えるための具体的な解決策を、成功のポイントと失敗の原因の両面から解説します。

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クリニック経営で直面しやすい7つの課題

クリニック経営で起きる問題は、集患・資金繰り・人材・業務効率の4領域に加え、経営理念、競合との差別化、院長自身の経営知識にも及びます。自院がどこでつまずいているのかを先に把握すれば、打つべき施策も絞り込めるはずです。

多くの院長が実際に抱えている課題は、次の7つに整理できます。

①新規患者が増えず、リピート率も伸び悩む

集患の悩みは、新患数が増えないか、再診率(リピート率)が上がらないかのどちらかです。

背景にあるのは、周辺に同じ診療科のクリニックが増えたという環境の変化です。加えて、マーケティングを体系的に学ぶ機会がないまま開業することが多いことからも、集患に何が効果を生んでいるのかを判断できないまま広告費だけが出ていくことが多いです。

新患数と再診率を分けて把握することが先決です。どちらが弱いのかによって、取るべき対策は変わります。

②資金繰りが悪化し財務状況が見えない

売上は立っているのに、手元の現金が増えず、資金繰りが悪化するのは、財務管理を感覚に頼って済ませているためです。

保険診療の報酬は診療した時点で入金される訳ではなく、審査支払機関を経由するため、売上が現金になるまでに時間差が生じます。その間の人件費や仕入れの支払いに充てるのは、手元の資金です。

月次で現金の動きを追う財務管理の習慣がなければ、資金が尽きる時期に気づくのが遅れます。

③スタッフの採用難と高い離職率

看護師や医療事務といったスタッフの採用は、どの地域でも競争が激しくなっています。求人を出しても応募が集まらず、採用できても短期間で辞めてしまうケースは珍しくありません。

原因は給与水準だけではありません。院内の人間関係、業務量の偏り、そして院長が職場環境づくりにどれだけ向き合えるか。これらが給与水準と並んで、職員の定着を左右します。

退職が続けば、採用費を払い直すことになるだけでなく、教育に費やした時間も失われることになり、経営を直接圧迫します。

④院内業務が非効率で、仕事が回らない

日々の事務作業は、予約の管理からカルテの記入、会計の処理まで途切れなく続きます。これらに時間をかけると、患者対応や経営改善に充てる時間が残らなくなります。

紙の台帳や手作業に頼る運用を続けるクリニックほど、この負担は重くなります。業務そのものを減らすのではなく、記録と集計をシステムに任せる発想が必要です。

また、空いた時間の使い道まで決めなければ、効率化の効果は実感できません。

⑤経営理念が曖昧で院内に浸透していない

経営理念の策定を後回しにしたまま開業すると、クリニックが何を大切にするのかがスタッフに共有されません。判断の基準が人によってばらばらになり、患者への説明の仕方や受付の対応に一貫性がなくなります。

その結果、自院の強みが患者にも求職者にも伝わりません。理念は掲げるだけでは機能しません。

採用の場面や日々の朝礼で繰り返し言葉にして初めて、スタッフに浸透します。

⑥競合クリニックの増加と差別化不足

同じ診療科のクリニックが地域に増えると、限られた患者を競合と奪い合うことになります。診療時間も設備も似通っていれば、患者にとって自院を選ぶ理由が見当たらなくなります。

差別化は、新しい機器の導入だけを指すのではありません。特定の疾患に強い、土曜も診療している、待ち時間が短いといった、患者が実際に比べる要素のいずれかで抜きん出なければ、選ばれることはありません。

⑦院長の経営知識・スキルの不足

優れた医師に求められる能力と、優れた経営者に求められる能力は別物です。また、医学部でも研修先でも、財務や労務、マーケティングを学ぶ機会はほとんどありません。

その結果、数字を見ないまま感覚で判断し、経営の問題が表面化してから慌てて手を打つことになりがちです。経営を自分で学ぶのか、外部の専門家に任せるのか。どちらにせよ、自分がどこまで把握するのかは決めておくべきです。

クリニックが経営難で潰れる3つの根本原因

クリニックが経営難で行き詰まる原因は、経営面では「事業計画の甘さ」「院長のマネジメント不足」「外部環境の変化への対応の遅れ」の3つが目立ちます。他にも院長の健康問題や後継者不在といった要因もあります。

共通しているのは、どれも突然起きるのではなく、兆候が事前に現れる点です。3つの原因はいずれも、兆候が表れた段階で対策を打っておけば、失敗を避けやすくなります。

原因① 明確な事業計画のないままの開業

開業時の収支予測が甘く、運転資金が想定より早く底をつくケースです。クリニックが経営難から廃業に至る原因としてよく挙げられます。開業から患者が定着するまでには時間がかかりますが、その期間を短く見積もっていると、資金が尽きた時点で立ち行かなくなります。

診療圏調査を十分に行わないまま開業する立地を決めてしまうケースも同じ構図です。周辺の人口構成や競合の数を確かめずに開業すれば、集患の見込みは立ちません。開業前の診療圏調査が、この原因への基本的な対策となります。

原因② 院長のマネジメント能力の欠如

院長がスタッフに高圧的に接する、あるいは診療以外に関心を示さない。どちらの場合も院内の環境は悪くなり、職員の退職が続く事態を招きます。

一人が辞めると残った職員の負担が増え、負担を抱えた職員がまた辞めていきます。すべてを院長が判断していると、この連鎖が始まっても院長以外に止められる人がいません。

権限をスタッフに渡し、チームで診療を回す体制に切り替える必要があります。

原因③ 外部環境の変化への対応の遅れ

診療報酬の改定、医療制度の見直し、人口の減少、オンライン診療の広がり等、クリニックを取り巻く条件は数年ごとに変わります。

同じやり方を続けると、収入は少しずつ削られてしまいです。特に診療報酬には、改定の度に算定要件や点数が見直される項目があります。確認せずに従来通り請求すると取りこぼしが生じます。

最低限の対策は、これら外部環境の変化を調べる担当を院内で決めることです。対応が遅れたまま数年が過ぎることで、クリニックは経営難から廃業へと追い込まれます。

安定経営を続けるクリニックの5つの成功法則

クリニック経営を成功させている院長には、共通するパターンがあります。理念を言葉にし、患者の満足度を仕組みで支え、数字で判断し、スタッフに任せ、Webで自院の情報を届ける。この5つです。

どれも大がかりな設備投資を前提にするものではありません。また、どれも一度整えれば終わりではなく、続けることで効果が大きくなっていきます。

法則① 明確な経営理念とコンセプトの確立

地域にどのような医療を提供したいのか。それを院長自身の言葉にすることが、経営理念の策定のスタート地点です。言語化した理念は、診療内容、内装、受付の対応にまで一貫して反映させてください。

理念をスタッフと共有しておくことは、採用の場面でも役に立ちます。院長が掲げる経営理念を実現するために、どのようなスタッフが必要なのか、求める人物像を具体的に示せば、応募の段階から自院に合う人が集まります。

法則② 患者満足度を最優先した仕組みづくり

患者満足度は、診療の質だけでは決まりません。待ち時間の長さ、説明の分かりやすさ、周囲に会話が聞こえない配慮といった、診察室の外側での体験も重要な要素になります。

ここで患者が得る満足感・安心感こそ、再診してもらえるかどうかの分かれ目です。予約制を導入して待ち時間を短くしたり、検査結果を図で示しながら説明したりする。そうした対応に満足した患者が周囲に勧めてくれれば、広告費に頼らずにさらに新患が増えることにも繋がります。

法則③ データに基づいた客観的な経営判断

感覚や経験だけで手を打っていると、効果が出たのかどうかを検証できません。レセプトコンピュータや会計ソフトといった経営分析ツールに蓄積されている数字を、月に一度は必ず確認してください。

見るべき経営指標は3つあります。1日あたりの患者数を自院の黒字ラインと比べ、給与費比率を同じ業態のクリニックの平均と比べ、新患数と再診率の推移を追います。目安から離れた月があれば、その月に何が起きたのかを掘り下げてください。

法則④ スタッフが自律的に動けるチームの育成

院長が全ての業務を抱え込めば、判断は遅くなりスタッフは指示待ちになります。理念を共有した上で業務の範囲と裁量を与え、各自が責任を持って動ける環境を作ってください。

先に挙げた理念が浸透していないという課題と、離職率が高いという課題は、根本的な原因は同じだと考えられます。自分の判断が尊重される職場環境では、スタッフが辞める理由が減っていくはずです。そのためには、採用・教育・評価の制度を整えることが前提になります。

法則⑤ Webマーケティングによる戦略的な集患

Webで受診先を探す患者が最初に見るのは、クリニックのホームページと地図アプリに登録された情報です。診療時間、対応できる症状、医師の経歴が検索している人にすぐ伝わる形に整えてください。

その上で、地域名と症状を組み合わせた検索での表示順位を上げてください。Web広告で来院の少ない時間帯の予約を増やす集患の対策もあります。またSNSは、既に自院を知っている患者との接点を保つ用途に向いています。

経営の生命線、資金繰りと収益改善の具体策

資金繰りの改善で最初にやるべきことは、感覚を計算に置き換える作業です。自院が患者何人で黒字に変わるのかを把握し、最も大きい費用である給与費を同じ形態のクリニックの平均と比べ、また算定漏れの収入を回収します。

財務管理が不十分なまま設備投資に踏み切れば、資金繰りはさらに苦しくなるでしょう。この3段階でシミュレーションを実施した上で投資の可否を判断する、という順番で対策を打ってください。

黒字化に必要な患者数は売上とコストの分解から割り出す

なく自院の具体的な数字で計算し、個人経営なら院長の取り分も固定経費に含めてください。 売上は診療単価×患者数に分解でき、患者数を初診と再診に分ければ弱点が見えます。コストは、家賃や人件費など毎月一定額の固定経費と、薬剤費など患者数に比例する変動経費の2つに分類できます。

診療単価×患者数-変動経費-固定経費(減価償却費を除く)-税金-借入金の元本返済=0 が成り立つ患者数が、自院の黒字ラインです。税金は減価償却費を引いた利益にかかる分です。元本返済が減価償却費を超えると、必要な患者数は増えます。計算は月単位で行い、診療日数で割って1日あたりに直してください。この数字が分かれば、集患の対策に優先順位を付けられるはずです。

医療法人立の無床診療所は給与費が収益の約半分を占める

自院の給与費比率が高いのか低いのかは、同じ経営形態のクリニックの平均と比べて初めて判断できます。厚生労働省の第25回医療経済実態調査では、無床の一般診療所の給与費構成比率が、令和6年度決算について開設主体別に示されています。

開設主体(無床の一般診療所) 給与費の構成比率
医療法人立 51.0%
個人立 28.4%

個人立が低いのは、院長自身の報酬が給与費に含まれていないためで、人件費の負担が軽いという意味ではありません。医療法人立と比べるなら院長の取り分も給与費に含め、個人立と比べるなら外して計算します。

給与費比率が平均を大きく上回る場合は、一人あたりの給与か雇用人数を見直してください。財務と人件費のシミュレーションを月次で実施し、薬剤費や消耗品費の発注量を点検することが、すぐに着手できる経費削減策です。

診療単価を上げるための算定漏れ防止と自費診療

算定漏れの防止は、利益を増やすためにも重要な施策の1つです。算定できる項目を見落とせば、収入はその分だけ目減りします。算定漏れは一件あたりの金額が小さいため気づきにくいですが、年間で合計すると無視できない額になります。

対策は3点です。自動で算定候補を示すレセプトシステムを導入し、請求前にスタッフ二人で確認し、改定内容をスタッフと共有することです。

その上で、既存の患者層が求める自費診療を少数加えれば、保険診療に依存しない収入源ができあがります。

医療法人化を検討し始める目安は年間利益1,500万円超

開業から数年が経ち、利益が安定してきた段階で問われるのが、医療法人を設立するか否かです。メリットとデメリットを比べて判断することになります。一般に、年間利益が1,500万円を超えた段階が、医療法人の設立を検討する一つの目安とされています。

ただし、この金額を超えれば法人化すべきといった基準ではありません。節税によって得られる額と、設立や運営にかかる手間・費用を比較する必要があります。月次の損益計算書を積み上げ、年間で1,500万円を超える状態が続いているかを税理士と確認してから判断してください。

医療法人化のメリット|節税と社会的信用の向上

医療法人設立の大きなメリットは、税負担が軽くなることです。個人の所得税は所得が増えるほど段階的に上がりますが、法人税は所得の区分が少なく、所得税ほど急には上がりません。そのため、所得が高いほど法人化した方が有利になります。退職金を経費にでき、生命保険料も契約内容に応じて一部または全額を損金とすることができます。

都道府県知事の認可を受けると社会的な信用も高まり、融資で有利に働く場合もあります。分院を出すなど事業を広げる選択肢も開けるでしょう。

医療法人化のデメリット|設立費用は約100万円、社会保険加入も義務に

一方で負担も生じます。設立手続きなどに約100万円の費用がかかり、同時に運転資金の確保も必要です。設立後は法人として社会保険の加入対象となり、事業主負担分の保険料が生じます。事業報告書の提出など、事務作業の負担も増えます。

利益の水準がまだ低い場合や、分院展開の予定がない場合は、急いで医療法人設立に踏み切るメリットはありません。判断に迷う段階であれば、税理士や医療経営に詳しい専門家に相談してみてください。

※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。

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