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デイサービス経営は厳しい?赤字43.9%・倒産件数と儲かる事業所の差

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デイサービス経営は厳しい?赤字43.9%・倒産件数と儲かる事業所の差

「利用者の数は減っていないのに、なぜか毎月の収支が合わない…」デイサービスを運営していると、このような悩みにぶつかることがよくあります。

「経営が厳しいと感じてはいるけれど、その原因が業界全体の問題なのか、それとも自分の施設(事業所)のやり方にあるのかが分からない」と不安を抱える経営者の方は少なくありません。

結論からお伝えすると、取るべき対策は「ただ利用者を増やす」だけではありません。まずは、稼働率(どれくらい席が埋まっているか)・利用単価・人件費・送迎費・固定費のうち、どこにお金の問題(ボトルネック)が隠れているのかを正確に突き止めることが最も大切です。

この記事では、赤字の割合や利益率(収支差率)、稼働率などの大切なデータを年度や事業所の種類ごとに整理しました。ご自身の事業所の数値と照らし合わせて見直す手順を、わかりやすく解説していきます。

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デイサービス経営は赤字4割、儲かるかは稼働率と利益率で決まる

「通所介護」(制度上の正式名称)と「デイサービス」(一般的な呼び方)は同じサービスを指しますが、事業として利益を出せるかどうかは「稼働率(席がどれくらい埋まっているか)」と「利益率」で決まります。

自分の事業所の状況を正しく把握するために、まずは業界の平均的な数字を見てみましょう。比較や分析を行う際は、調査の名称や対象の年度、事業所の区分などの条件を揃えて確認することがポイントです。

指標 平均値 調査/年度
赤字事業所の割合 43.9% 福祉医療機構/2023年度決算
利益率(収支差率) 1.5% 介護事業経営実態調査 通所介護/令和4年度決算
人件費率(給与費の割合) 63.8% 同上
利用率 69.6% 福祉医療機構/2023年度決算

市場の影響は事業所数と受給者数の推移で分かる|経営者の年収は利益次第

デイサービスを利用したい人(需要)は増えており、施設数(供給)はほぼ横ばいです。つまり、市場全体が縮んでいるわけではありません。

厚生労働省の令和5年度 介護給付費等実態統計によると、通所介護を1年間に利用した人の数は1,661.7千人で、2.2%増加しました。一方で、令和6年 介護サービス施設・事業所調査では、通所介護の事業所数は24,585箇所でほぼ変わらず、小規模な「地域密着型通所介護」は18,921箇所で1.2%減少しています。

全国的にもニーズは高まっており、施設の数が増え続けているわけではないため、「収支が悪化した理由」を業界全体の傾向だけで説明することはできません。ただし、地域ごとの状況はそれぞれ異なりますので、まずはご自身の市区町村にある事業所数や要介護認定者の数を確認してみましょう。

経営者自身の収入(役員報酬など)も、事業所でどれくらい利益が出ているかによって決まります。役員報酬は経費(費用)として扱われますが、最終的に残る利益の大きさは、本業での収入と支出のバランス、そしてローンの返済や将来のための貯え(内部留保)との兼ね合いで変わります。世間の相場を気にする前に、まずは自事業所の収支状況をしっかり確認しましょう。

参考:令和5年度 介護給付費等実態統計|厚生労働省
参考:令和6年 介護サービス施設・事業所調査|厚生労働省

デイサービスの43.9%が赤字、割合は年度ごとに異なる

2023年度に赤字だった通所介護事業所は全体の43.9%にのぼります。これは福祉医療機構が、資金を融資している事業所のうち2年分のデータが揃う4,735箇所を集計した数値です。前年度の48.8%からは4.9ポイント改善されました。

ただし、赤字の割合は調査主体や対象年度によって異なります。この「43.9%」という数値も、全国すべての事業所ではなく、同機構がデータを把握している事業所を対象としたものです。 他の記事やニュースで見かける数値と違いがあったとしても、一方が間違っているとは限りません。「どの調査か」「いつのデータか」「どの区分か」の3点を揃えたうえで比較することが大切です。

参考:2023 年度 通所介護の経営状況について|福祉医療機構

通所介護の利益率(収支差率)は平均1.5%、規模で差が出る

通所介護における平均の利益率は1.5%です。これは厚生労働省の令和5年度介護事業経営実態調査で、令和4年度決算の通所介護1,205事業所を集計したデータに基づいています。

ここで使われる「収支差率」とは、介護サービスで得た売上(収益)からかかった費用を引き、その残りを売上で割った割合のことです。一般的な決算書で使われる「税引前利益率」とは計算方法が異なるため、決算書の数字と直接比べることはできません。

平均1.5%という数字は、入ってきたお金のうち手元に残るのがたった1.5%ほどであることを意味しています。ただし、利益率は事業の規模や稼働率によって大きく変わるため、平均値に届いていないからといって即座に「大きな問題がある」とは限りません。

参考:令和5年度介護事業経営実態調査|厚生労働省

通所介護デイサービスの収支を分解すると赤字原因は5つに絞れる

デイサービスが赤字になる原因は、「稼働率」「単価」「人件費」「送迎費」「固定費」の5つに整理できます。

事業所の収支は、大きく分けて収入(介護保険収入・保険外収入の2種類)と支出(人件費・送迎費・固定費の3種類)で成り立っています。収入面は「どれくらい席が埋まっているか(稼働率)」と「利用者の単価」、支出面は「人件費・送迎費・固定費」をチェックしていきます。どこに課題があるかを見極めることで、具体的にやるべき対策が見えてきます。

収入は介護保険と保険外の2つ、稼働率と単価で決まる

デイサービスの収入は「介護保険収入」と「保険外収入(自費サービスなど)」の2つで構成されています。メインとなる介護保険収入は、さらに〈基本報酬 × 利用者数の合計 + 加算〉に分けて考えることができます。

保険外収入とは、食事・運動・外出イベントなどを自費で提供して追加で得る収入のことで、デイサービスでは補助的に活用されます。この記事では主にメインとなる「介護保険収入」について解説します。

介護保険収入が減ってしまう原因は、大きく分けて「利用者の人数が少ないこと」と「利用単価が低いこと」の2つです。これらはそれぞれ別の理由で起こるため、分けて解説していきます。

利用者の充足度を表す指標が「稼働率」です。計算式は【延べ利用者数 ÷(定員 × 営業日数)】となります。(※定員と営業日数を掛け算したあとに、利用者の合計人数を割ります)。

稼働率は、月平均だけでなく「曜日別」や「月別」でも計算してみることが重要です。月平均だけでは「特定の日曜日や水曜日だけ空きが目立つ」といった偏りに気づけないためです。なお、定員を超えて受け入れるとペナルティ(定員超過減算)が発生しますので、利用者数は必ず定員の範囲内に収めましょう。

一方の「単価」は、利用時間(サービス提供時間)の区分や、利用者の要介護度の割合によって変わります。そのため、利用者の人数が同じであっても単価によって収入に差が出ます。

人件費率は63.8%が目安、上乗せを生むのは離職と送迎ルート

人件費率の目安は「63.8%」です。これは令和5年度介護事業経営実態調査において、収入に対する給与費の割合として集計された平均値です。この章では、①人件費の内訳、②採用・離職のコスト、③送迎費と固定費、の順で説明します。

①人件費は「削れる部分」と「絶対に削れない部分」に分かれます。

指定居宅サービス等基準(第93条)により、デイサービスでは生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員の4つの職種を配置することが法律で決められています。人員の数え方は職種によって異なり、生活相談員と介護職員はサービス提供時間内の勤務時間で計算しますが、機能訓練指導員などは他業務との兼務が認められています。基準違反にならないよう下限人数が定められているため、人件費を調整できるのは「兼務の工夫」や「シフト・残業の見直し」に限られます。

参考:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十七号)|厚生労働省

②採用や離職にかかるコストを金額として把握しましょう。

求人広告費や人材紹介手数料だけでなく、スタッフが辞めたことで発生する派遣人員の費用や他のスタッフの残業代も含まれます。人員基準を満たせないと新しい利用者を受け入れられなくなり、稼働率が下がって収入も落ちてしまいます。この状態が長く続けば、最悪の場合は事業所を閉めざるを得なくなります。離職コストを抑えるためには、研修を充実させたり働きやすい職場環境を整えたりすることが大切です。

③送迎費は「ルート」「車両」「スタッフ」の3つの要素に分解し、家賃などの固定費と合わせて「利用者1人あたりにかかる費用」を計算します。

見直すべきポイントは、乗客のいないムダな走行(空車回送)、重なっているルート、同乗するスタッフの人数の3点です。削れるコストを把握する際は世間の平均値に頼るのではなく、ルート変更前後の走行距離や乗車時間を実際に計算して比較しましょう。

事業所の赤字原因を稼働・単価・人件費・送迎費・固定費の5項目で絞り込む

自分の事業所の数字を業界の平均値と比較して、他と大きく離れている項目を見つけ出しましょう。

項目 平均値 出所
稼働率 69.6% 福祉医療機構/2023年度決算(同機構の指標名は利用率)
単価(利用者1人1日あたり収入) 9,338円 介護事業経営実態調査 通所介護/令和4年度決算
人件費率 63.8% 同上

※送迎費と固定費は、公的統計では「給与費以外」としてひとまとめに扱われるため、平均値との直接比較はできません。

上の表にある3つの項目を平均値と比べることで自事業所のズレを計算し、送迎費や固定費については「利用者1人あたりいくらかかっているか」を算出します。

平均との差が最も大きい項目や、収入に対して高すぎる費用項目があれば、それこそが赤字の主な原因です。「なんだか経営が苦しい」と感覚で悩むのではなく、数字を計算して最も差が出ている項目(ボトルネック)を特定しましょう。原因が分かれば、次の章で紹介する改善アプローチ(施策の順番)に沿って対策を進めることができます。

デイサービスが儲かるかどうかは施策の順番で決まる

黒字化を目指す際、思いつく限りの対策を「一気に全部やる」のは逆効果です。「正しい順番で取り組む」ことが成功のカギとなります。「見込める効果」「取り組む手間(負担)」「効果が出るまでの期間」の3つの視点で比較すれば、どの施策から手をつけるべきかが明確になります。(※事業所の規模に応じた施策の選び方は次の章で解説します)。

施策 効果 着手負担 効果が出るまで
1 稼働率の向上 1~3か月
2 未算定の加算 1~3か月
3 送迎ルートの見直し 1~3か月
4 保険外サービス 3か月~
5 人件費の配分見直し 3か月~
6 IT・業務効率化 小~中 6か月~

黒字事業所は利用率が約10ポイント高い、差は新規獲得と退所防止で埋める

黒字の事業所と赤字の事業所を分けている最大の要因は、「利用枠(席)がどれくらい埋まっているか」です。福祉医療機構の2023年度の集計によると、利用率は黒字事業所で「73.7%」、赤字事業所で「63.9%」と約10ポイントの開きがありました。一方で、利用者1人あたりの単価の差はたった「209円」にとどまっています。

空いている席を埋めるための方法は主に6つあります。

  1. ケアマネジャーへの紹介依頼(サービス担当者会議での関係づくりや空き枠情報の小まめな連絡)
  2. 体験利用や見学の受け入れ体制づくり
  3. ホームページ・SNS・介護サービス情報公表システムでの情報発信
  4. チラシ・パンフレットなどの配布
  5. 急な欠席やキャンセルが出た際に当日の穴埋めを行う工夫
  6. いま通っている利用者に長く続けてもらうこと(退所防止)、の6点です。

特に⑥の「継続利用(退所防止)」は、①〜⑤の新規獲得と同じくらい重要です。具体的には、サービスの満足度向上、休んだ際のお振り替え利用の提案、退所理由の分析と改善などが挙げられます。せっかく新しい利用者を1人獲得しても、既存の利用者が1人やめてしまえば、全体の利用人数は増えません。

それぞれの施策の効果は「稼働率が何ポイント上がったか」で評価します。まずは「曜日ごとの空き状況」を正確に把握することからスタートしてみましょう。

未算定の入浴介助加算・個別機能訓練加算を確認、体制要件の加算も見直す

加算を取得することは、売上を直接アップさせる効果的な手段です。見落としがちな加算と、体制を整えることで取得できる加算の2パターンについて確認していきましょう。

とりわけ算定漏れ(取りこぼし)が起きやすいのが「入浴介助加算」「個別機能訓練加算」「口腔機能向上加算」の3つです。詳しい要件は厚生労働省の通知で定められています。

条件を満たしているのに申請していないために、もらえるはずの報酬を逃しているケースは珍しくありません。まずは指定自治体の資料や国保連への請求明細を見直して、算定状況をチェックしてみましょう。

もう1つは、事業所の体制づくりや届出が必要となる加算グループです。代表的なものに「科学的介護推進体制加算」「介護職員等処遇改善加算」「サービス提供体制強化加算」があり、それぞれの告示や通知で要件が定められています。

こちらの加算は「入ってくるお金」だけで判断してはいけません。記録・書類作成にかかる労力(工数)や給与アップに必要な原資を計算し、差し引きでプラスになるかを試算して導入を検討しましょう。

参考:平成12年3月1日老企第36号厚生省老人保健福祉局企画課長通知

記録・請求・シフトの重複作業を見直し、減った時間を人件費に換算する

コストカットを行う際、削るべきなのは「現場のスタッフの人数」ではなく「事務作業の手間や残業時間」です。デイサービスでは法律によって配置すべき人数(人員基準)が決まっているため、スタッフ自体を減らす余地はほとんどないためです。

見直す対象は、記録・請求・シフト作成などで発生している「二重の作業」です。紙とパソコンの両方に同じ内容を入力していないか、請求前の確認作業を手作業でやっていないかなどを点検してみてください。

介護ソフトなどのITツールを導入する際は、機能の多さではなく「どれくらい作業時間を減らせるか」で選びましょう。削減できた時間(時間数 × 時給)を計算すれば、どれくらいの人件費削減につながるかが一目でわかります。

介護報酬改定は単価と加算の両面から収支に効果がある

3年ごとに行われる介護報酬改定は、基本報酬と加算の両方に影響を与えます。直近の令和6年度介護報酬改定では、業界全体で「+1.59%」の改定となりました。

①改定によって単価がどう変わるかを調べる際は、利用者数・要介護度・利用時間などの条件を揃えて計算しましょう。国が発表する全体の改定率(+1.59%など)を見るだけでは、自分の事業所にどれくらい影響があるかはわかりません。

②加算についても、新設や廃止のチェックだけでなく「どんな人員や記録が必要になるか」まで確認しておく必要があります。

③改定後は「利用者1人あたりの単価」「加算の取得率」「人件費率」の3つの指標を重点的に観察しましょう。なお、これは後述する「倒産を防ぐための危険サイン(警告サイン)」のチェックとは目的が異なるので区別してください。

効果が出る改善策は事業所の規模と種類で変わる

同じ改善策を実施したとしても、事業所の規模(定員数)や種類によって得られる効果は異なります。

規模区分と類型で採算は変わる、基準は赤字にならない稼働率

通常の「通所介護」と小規模な「地域密着型通所介護」の違いは定員数で決まりますが、採算(採算ライン)を見極めるには「赤字にならない稼働率」を基準に考えるのが一番わかりやすい方法です。

赤字にならない稼働率とは、毎月の売上で支出をピッタリ支払える損益分岐点のことです。【毎月の支出 ÷ 1人1日あたりの平均売上】で計算すると、必要な「延べ利用者数」が出てきます。この人数をさらに【定員 × 営業日数】で割ることで、「最低限必要な稼働率」が求められます(※利用者が増えると食事代やガソリン代なども増えるため、出た数字はあくまで安全ラインの目安として捉えてください)。

なお、通常規模型や大規模型といった区分は前年度の平均利用人数で決まる区分のことで、地域密着型通所介護とは別の枠組みです。介護保険法(第8条)では、利用定員が19人以上の施設を「通所介護」、18人以下の小規模な施設を「地域密着型通所介護」と定めています。指定や監督を行う自治体(指定権者)も、通所介護は都道府県、地域密着型は市区町村と分かれています。

定員18人以下の小規模デイサービスは、利用者が1人増減するだけで稼働率が大きく変動しやすい反面、固定費を減らした際の効果が出やすい特徴があります。将来的に事業規模を拡大する場合は、人件費や送迎費も一緒に増えるため、区分変更後の稼働率をしっかり試算した上で進めましょう。

参考:介護保険法

3つの差別化戦略が有効なのは商圏に競合が少ないときだけ

「他施設との違い(差別化)」をアピールして集客につなげる戦略は、その地域の市場(商圏)にまだニーズの空きがある場合にのみ効果を発揮します。

差別化の方向性として代表的な3つのうち、「リハビリ特化」と「入浴・食事特化」は、現在の通所介護の指定のまますぐに実施できます。「認知症への対応」も加算を取得するだけであればそのまま可能ですが、「認知症対応型通所介護」という別の専門サービスに種類を変える場合は、改めて自治体の指定を受け直す必要があります。

選択肢 必要な人員 類型変更 指定権者
リハビリ特化型 機能訓練指導員 不要 都道府県
入浴・食事への特化 追加要件なし 不要 都道府県
認知症加算 留意事項通知の定める体制 不要 都道府県
認知症対応型通所介護 別基準の配置 必要 市町村

自分の地域の状況を確認する手順は次の3ステップです。①「介護サービス情報公表システム」でライバル事業所の数を調べる、②自治体の「介護保険事業計画」で要介護者の見込み数を確認する、③利用者の住所から主な営業エリア(商圏)を把握する。すでにデイサービスが供給過剰になっているエリアでは、いくら差別化を図っても利用枠が埋まるとは限らないため注意が必要です。

デイサービスが潰れるのは赤字ではなく資金がショートする時

事業所が倒産してしまうのは、会計上で「赤字」になった瞬間ではありません。給料や取引先への支払いができなくなった(手元の現金がなくなった)瞬間です。

介護事業者の倒産176件のうちデイサービスなど通所型は45件、年次推移で増減を見る

2025年の介護事業者の倒産件数は176件となり、2年連続で過去最多を更新しました。東京商工リサーチの調査によると、このうちデイサービスなどの「通所・短期入所型」は45件で、前年の56件からは減少しています。なお、最も倒産が多かったのは「訪問介護」の91件でした。

デイサービス単独のデータを見る際は、介護業界全体の数字と混ぜて考えないよう注意してください。同調査の集計対象(老人福祉・介護事業)には、訪問介護・通所介護・有料老人ホームなどがすべて含まれているため、「介護事業者の倒産◯件」という見出しの数字とデイサービスだけの件数は一致しません。

また、倒産件数だけを見ていては業界の本当の厳しさを見落としてしまいます。同社の2024年の調査によると、倒産172件に対し、「休業・廃業・解散」を選んだ事業所は612件にのぼりました。倒産という形をとらずに静かに事業を終了する事業所の方が遥かに多いのが現実です。

参考:2025年「介護事業者」倒産 過去最多の176件 「訪問介護」の倒産が突出、認知症GHも増加|東京商工リサーチ
参考:2024年「老人福祉・介護事業」の倒産、休廃業・解散調査|東京商工リサーチ

赤字は損益、倒産は資金繰りの問題|入金までの時間差分の残高を確保する

「赤字」は損益計算上の話であり、「倒産」は資金繰り(現金不足)の話です。たとえ赤字であっても手元にお金(預金残高)があれば営業を続けられますし、逆に会計上は黒字でも現金が底をついてしまえば倒産してしまいます。

手元の現金が減る理由は、「売上不振」「費用の使いすぎ」「借入金の返済」、そして「入金までのタイムラグ」の4つです。介護保険の報酬は、国保連(国民健康保険団体連合会)へ請求したあと、実際に振り込まれるのが翌月の下旬になります。サービスを提供してから入金されるまでに約2ヶ月のズレが生じるため、実際の振込予定日を常に把握しておくことが重要です。

デイサービス経営では、このタイムラグに加えて資金繰りを圧迫する3つの特徴があります。

  1. 当日のキャンセルで毎月の請求額が変動しやすいこと
  2. 送迎車のリース料など毎月決まって出ていく固定費があること
  3. 【営業日数 × 1日あたりの利用人数】で入金額がブレやすいこと、の3点です。

運転資金を準備する際は、これらのリスクを見越して「入金までの遅れをカバーできるだけの現金残高」を必ず確保しておきましょう。

入金タイムラグを解消する資金調達手段には「介護報酬ファクタリング」があります。 本来2か月後である介護報酬の入金タイミングを約1.5ヶ月前倒して資金繰り改善に繋げるサービスです。負債を増やさずに活用できる資金調達手段として多くの事業者様が選んでいます。

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※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。

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